コジャレ系について

 「コジャレ系」というのは、一言で言うと「オタク系サブカルチャーをスタイリッシュに表現したサイト」ということになるのかと思う。1999年頃に全盛だった系統。代表的なサイトは『クリアラバーソウル』『hexagon』『OUTDEX』。
 
 他の人による「コジャレ系」の説明。テキスト系用語集には

コジャレ系 :無理に要約すれば「文章やデザインがちょっと洒落ているサイト」。特徴としては、フォントが小さい・HNがカタカナ・BBSがライトデザインなどといったあたり。現在のライト系につながる。

http://members.at.infoseek.co.jp/hikata/yougo/yougo_02.html

とある。
 また、『OUTDEX』の宗像明将氏はこう書いている。

コジャレ系とういうのは当時のインターネットでよく使われた表現であり、同時に非常に定義が曖昧な表現でもあった。僕の持論は、当時から最先端のデザインを追求していたウェブマガジン「SHIFT」がまずあり、その元スタッフによる個人サイト「world9-1」のデザインに影響を受けたサイト群がコジャレ系であるというものだ。ただ、そのうち「コジャレ系のサイトとリンクしているサイトがコジャレ系」というネットワーク説が強くなってくる。

http://special.yomone.jp/?p=23

 上記にある『「コジャレ系のサイトとリンクしているサイトがコジャレ系」というネットワーク説』を唱えたのは愛・蔵太氏(ソースはテキストサイト大全の桑島×宗像インタビュー)。
 また『エレメンタルノート』はこう書いている。

 (1999年)当時は「コジャレ系」と呼ばれるサイトの全盛期であったように思う。カタカナのサイト名、入り口としての役割しか果たさないindexページ、原色を否定した色づかい、やや小さめのフォントサイズ、オタク風サブカルチャーによる味付け、日常性ではなく思想性を打ち出した日記――そういった特徴を持つコジャレ系サイトは、個人テキストサイト界隈を席巻していた感があった。もっとも、コジャレ系を支えていたのは主に20代前半のウェブマスターたちであり、就職して時間がとれなくなるなど、それぞれの事情によってサイトは閉鎖され、また、コジャレ系の乱立によってマンネリ化が進んだこともあって、現在ではいかにもそれらしいコジャレ系は大部分が姿を消してしまった。

エレメモ

 
 何故にテキストサイトブーム期のまとめを作ろうとしているのにコジャレ系の話を出してきたかというと、テキストサイトブーム前の日記系についての簡単な説明を入れる予定で、その際にコジャレ系について触れないわけにはいかない。というのもコジャレ系は大物を2人だしたから。『クリアラバーソウル』の桑島由一氏はライトノベル作家となり、代表作の「神様家族」はアニメ化された。『hexagon』のヤマグチノボル氏はこちらもライトノベル作家となり、「ゼロの使い魔」はアニメ化された。